母の命日に捧げるバラード(彼女の教育論)
10/26は田中公子(たなか きみこ)さんの命日。ぼくの母ちゃんです。
先週、無事に七回忌を終えたので、過去ブログをリライトしてみました。
ぼくと一緒に遊んでくれる人には彼女の存在を知ってもらいたいし、ぼくが皆さんとのご縁に恵まれたのも、彼女がいたから。
そして、日本で頑張ってる、ぼくのふたりの息子たちにも祖母の生き様を残しておきたかったから。(2002年の画像より)
「カナダは遥か彼方じゃない」
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カナディアンロッキー(キャンモア、バンフ、ジャスパーなど)の現在時刻。
こんなことを書いてます
全力の直球だけを投げ続けた71年
母ちゃんを野球選手に例えると、ストレートしか投げられない、バカ正直な本格派ピッチャー。
小細工はいっさいなし!の最初から最後までど真ん中勝負。
コースを散らすとか、緩急をつけるとか、見せ球を挟んでとか、ボール球で誘ってとか、そんな駆け引きなど出来ない。
マウンドでは一球ごとに “喜怒哀楽” を剝き出しにしながら、抑えれば全身で喜びを表し、打たれたら本気で悔しがったり泣いたり。
明らかに汗だくで疲労困ぱいしているのに、9回まで投げないと気が済まない。
気合いと根性、努力で人生をまっとうした、そんな人だった。
まさに、「全力投球の “喜怒哀楽”」(2006年の画像より)
そして、これから綴る3つの教育論は、まさに逸脱!ぼくが母ちゃんを尊敬してやまないところです。
母の独自教育論 その1 「家族なら働いてください!」
ぼくが中学3年の受験生、弟が小学5年生。ぼくら兄弟は「新聞配達」っていうアルバイトを初体験することになる。
理由は、家計の手助けをするため。
母ちゃんがぼくらの目の前で土下座してきたから。
当時、父の定職が思うように固まらず、短期で転職を繰り返してたみたい。当然、収入は低いまま。家のローンもまだまだ続いていたし、父方の祖父母も一緒に住んでの6人家族。
ぼくら兄弟を呼んで、母が静かに口を開いたのは、ある日の夜。
我が家の収入は、毎月〇〇円です。
それに対し、支出は毎月〇〇円です。
貯金残高は〇〇円です。親として、あなたたちにお願いするのはとても恥ずかしいです。でも、どうか、この家のために働いてください。家族ならどうか働いてください。m(__)m
マジかよー って思ったけど、お金がないなら働くしかないっしょ(笑) そして、スゴク嬉しかった。だって、家族として頼ってもらってる。そう感じたから。
両親を尊敬し、ありがとう って感謝を言えるようになったのは、そのときからだと思ってます。
その後、父も母ちゃんも定年まで続けられた仕事を見つけることができ、高校で部活動を続けたかったぼくは、「返済不要」っていう有難い奨学金制度に合格、弟は中学を卒業するまで新聞配達を続けてた。
当時39歳の母ちゃんです。
母の独自教育論 その2 「吸いたいならこの部屋で吸え!」
男子なら、中学・高校で背伸びをしたくなるときがある。その顕著な例が「飲酒と喫煙」
ぼくも御多分に洩れず、アルコールやタバコに憧れた時期が長かった。鏡の前で吸い方を研究してたことも(笑)
中学3年のあるとき、ぼくの部屋に仲間が集まってタバコを吸っていたら、母ちゃんがデッカイ灰皿?を持ってきた。
吸っちゃダメとは言わない。
でも、中学生なんだからバレるようなところで吸うのは絶対にダメ。他では吸うな! 吸いたいならこの部屋で吸いなさい。
そして、火事の原因だけは作ってくれるな。これを灰皿代わりにしなさい。
いい? 他では吸ったら許さんよ!
高校生になっても、ぼくの部屋には仲間が入れ替わり立ち代わり集まり、外で喫煙が見つかったやつは誰もいなかった(笑)
当時、39~42歳の母ちゃんです。
母の独自教育論 その3 「飲みたいならこの部屋で飲め!」
母ちゃん公認のタバコ部屋は、当然、飲酒部屋にもなる(笑)
中学からの仲間に加え、高校に入ってからの飲酒仲間も増える。
アルバイトをしてるヤツらも多いから、お金はある。だけど、高校生である以上、当然、アルコールの購入は難しい。
そんなぼくらの救世主は母ちゃんだ!
収容人数の大きいホテルの宴会場で働いていた彼女は、残ったウィスキーを頻繁に持ち帰ってくれたから(*^^)v
安い2級種の国産ウィスキーなのに、わざわざ外国産の空瓶に入れ直していたのは母ちゃんの粋な演出。
高校生のぼくらは「偽りの西洋品」に小躍りしながら飲んでたなぁ(笑)
あんたたち、
私のお陰でそんな高級ウィスキーが飲めるんだよー。感謝しなさい!
当時、40~42歳の母ちゃんです(笑)
母の独自教育論 その4 「男なら仕事してナンボ」
男は仕事で価値が決まる。
苦しい仕事を休みなく耐えてこそ、働く男は尊敬される。尊敬される価値ある男になりなさい。
性格は母ちゃんに似たぼくだけど、これだけは共感できなかった。
それを否定するということではなく、ぼくはその土俵に上がりたくなかったということ。
父の仕事が不安定でお金に苦労した分、余計にそう思ってたんだろうけどね。
ぼくが独立したときも呆れてた。
「ENJOYアドバイザー」などと言ってるぼくを見て、もっと呆れてるだろうね、母ちゃん(笑)
「後編」に→ 続く
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